マムシ流 つれづれ草 第33回

【本当に大事なことは何か? それをいつも考えて人生を送ろう!】

 老若男女諸君! 新年度は順調にスタートできたかい?
 新しい環境に慣れるのは、いろいろとたいへんだろうけど、前向きに、笑顔で順応して、がんばっていこうぜ!
 
 オレは新年度早々忙しかったぞ。4月5日は、朝からニッポン放送の『垣花正あなたとハッピー』の『ゲストとハッピー』というコーナーに出た。今、この番組はすごく人気があるんだってな。
 以前、大沢悠里ちゃんも出たらしいな。TBSラジオが引越ししたみてえだな、ハハハ。
 パーソナリティの垣花正さん、那須恵理子さん、そしてレギュラーコメンテーターの森永卓郎さんと、あーだこーだと無駄話をしてきたよ。
 どうせいつも台本は無視してるしな、ハハハ。
 いやいや、とても大事なことをいろいろとしゃべってきたぞ。
 オレが長年やってきたラジオ生中継の極意を話した。
 普通は中継というと、盛り上がる人ばかりにマイクを向けて、盛り上がってない人はスルーするんだよ。
 でも、オレは違うんだ。盛り上がってない人を見つけてマイクを向ける。最初は沈黙でも、我慢して待ってると、「私、今日風邪ひいてて、調子悪いの」とかポツリと本音を言うんだよ。それを引き出していろいろと広げていくのがオレの仕事だとずっと思ってやってきたんだよ。そういう人を切り捨てないで、参加してもらうことが大事なんだ。
 昔、結婚式で司会をやった時のことも話した。結婚式というと、クライマックスで新郎新婦と両家の親が並んで挨拶するだろ。通常はこの時、ほぼ、新郎の父親が挨拶するよな。
でもオレは、新婦の父親に水を向けたんだ。そうしたら、まず、「うれしいです」と言ったけど、その後「悲しいです」、そして最後に「くやしいです」と言ったんだよ。
 これはさすがに、式場全体に響き渡ったと思う。このエピソードについては、永さんが生前、ご自分が書いた本のなかで触れてくれたんだけどね。
 “触れないタブーに触れる"というのはとても大切なことなんだよ。
 オレは障害者の人にだって、どんな境遇の人にだって、分け隔てなく声をかけるよ。
 そうやってオレはいろんな人たちに声をかけながら、かえってオレが元気をもらってきたんだ。だから、今日まで元気でいられるんじゃねえかな。

 そうそう、『ウルトラセブン伝説』というドキュメンタリー配信映像の収録もしたな。
これは、今年『ウルトラセブン』が55周年を迎えたということで、『ウルトラセブン』の4Kリマスター版ブルーレイディスクが7月7日に発売されるんだけど、その特典映像として買った人が見られるらしい。モロボシ・ダンの森次晃嗣、アマギ隊員の古谷敏、そして、フルハシ隊員のオレが『ウルトラセブン』について語っているわけだ。
 いろいろしゃべったぞ。『北へ帰れ』や『狙われた町』などオレが活躍した回のエピソードはもちろん、飯島、実相寺、満田・・・各監督陣のこと、出演者やスタッフとのエピソード、とにかくいろんなことだ。
 なんてったって、『ウルトラセブン』は俳優・石井伊吉時代の集大成だからな。
 当時、『ウルトラセブン』の現場は、良いものを作るという高邁な精神があったな。
『ウルトラマン』に比べて、子ども向けじゃない、世の中に問いかけるテーマが多かった。
 公害問題だったり、防衛問題だったり、多様性のことだったり、後継者問題だったり・・・実にテーマ設定がよかったよ。現代社会にも十分通じるテーマだよ。
 今、地球の中であれこれ争っている時代だけど、そんなことを続けていたって儲かるのは戦争屋だけじゃないか。
 “地球は地球人で守れ"という精神は、未来への財産だぞ。
 だから、今こそ、『ウルトラセブン』を見て、いろいろと考えて欲しいんだよ。
 
 4月15日の『マムちゃんねる』は、増田明美ちゃんの第2弾だな。1回目も好評だったぞ。2回目もぜひ見てくれよ!
 そして、文藝春秋から5月20日にオレの著書『70歳からの人生相談』(文春新書)が出るぞ! 年寄りのみならず、老若男女にとってためになる、オレの知性と教養があふれているありがたい言葉が満載だからな、ハハハ。
 まだ、少し先だけど、ぜひ楽しみにしていてくれ!




 

(構成・伊波達也)

〜一覧へ戻る〜