マムシ流 つれづれ草 第41回
【戦後78年。約310万人の御霊のことを思い、不戦の誓いを持ち続けよ】
老若男女諸君！ 元気でやってっか。 暦の上では“立秋”。秋なんだけど、猛暑は続くし、おまけに台風が猛威をふるってる。お盆休みを久々に故郷で楽しく過ごそう、なんて思っていた人たちが足止めをくらってたり、故郷に帰ったはいいが、戻って来れなくなってたりするもんな。思い通りにいかないもんだな。まぁ、クヨクヨしててもしょうがないから、ネガティブな感情はポジティブに変えて、ストレス溜めないで、貴重な休みを過ごしていこうぜ。78年前の夏のことを思えば、今はなんて幸せな世の中なんだってことだぞ。
毎年、8月の前半といえば、避けて通れないのが、あの大東亜戦争のことだからな。
オレはご存知のとおり、一年中、戦争の愚かさについて語っているよ。それは戦争の愚かさを、子どもながら身をもって体験した証人として、ごく当然なことだと思ってきた。
“8月は6日、9日、15日”と唱えているとおり、78年前の戦争では、最後の最後の8月に惨たらしい、広島・長崎への原爆投下により、罪もない人々の膨大な死があり、それから半月余りで敗戦だよ。あと少しでも早く、戦争が終わってくれていればと、つくづく思うのはオレだけじゃないだろう。
戦後78年の今年も、約310万人もの人が亡くなったあの戦争のことについて思うところはいろいろあるよ。メディアは、もっともっと戦争について語る記事を載せたり、番組を放送して欲しいな。まだまだ足りないよ。やってやり過ぎなことはないはずなんだ。今のウクライナとロシアの戦争、そして他にもきな臭い世界中を見わたせばわかるだろ。特に若い世代にはきちんと伝わるようにしていかないと、未来が心配でたまらないぜ。
もちろん、オレはその役目を果たし続けていかなきゃといつも思っているよ。どんどんそういう先輩、同輩がいなくなっているからな。
そして、今、生きている人間が、自分たちの“生”というものの意味を、もっと真摯に考えていくことも大切だよ。今の平和な日本があるのは、戦争で犠牲になった人が礎になってくれたからだということが言えるだろ。オレたちのように、戦中派で、戦後に生き残った人間はもちろん、戦後、平和の恩恵を受けて生まれ育って、年齢を重ねてきた人々は、自分の命と向き合うということが大切だと思う。
そんなことと関係のあるような話をできたのが、先日、ゲストで呼ばれた『My LIFE! My CHOICE!!』というTBSラジオとラジオ大阪でやっている番組だ(YouTubeでも配信)。元TBSアナウンサーの安東弘樹ちゃんがパーソナリティをやっている番組で、毎回さまざまなゲストの人たちが登場して人生についてさまざま語るという、なかなかいい番組なんだよ。『公益財団法人 日本尊厳死協会』がスポンサーの番組だ。この日は同協会の理事長・北村義浩先生と副理事長・長尾和宏先生ともお会いして話ができたよ。
要は自分らしい人生の歩き方と終い方をいかに考えていくかということなんだけどね。
オレは生と死はセットで考えなきゃダメだと思っている。だって、人は生まれてきたら、必ず死ぬんだから、エンディングとかいって死ぬことの旅支度ばかり考えても仕方がないと思うんだ。もちろん、それも大切なことなんだが、素敵な人生を全うするためには、1日1日をいかに楽しく生きていくかの方へ重きを置いた方がいいよ。
これは、まさに、いつもオレがジジイババアに話してきたことだし、オレの著書『70歳からの人生相談』をはじめとする、さまざまなメディアでも言ってきたのはまさにそういうテーマなんだよ。
人生100年時代に、同じ長生きするなら、人生を楽しまなきゃ損だよ。残念ながら、病に倒れたり、寝たきりになったりする人はもちろんいるよ。でもね、何か些細なことでも、日々の生活のなかで、前向きに楽しさを見つけて、“生きている”ということに喜びを持って欲しい。
だってさ、先の戦争では、生きたくても理不尽なことで殺された人たちがたくさんいるんだぜ。幸運にも“命”をいただいているオレたちはさ、その生を謳歌しなきゃ、そういう人たちに申し訳がたたないぞ。だから今年の8月は、戦争の惨たらしさを訴えていくとともに、今生きている人たちがみんなで、戦争なんかしないで平和を守り、みんなで仲良く生を謳歌していくことの誓いをたてようじゃないか！
8月15日からの『マムちゃんねる』は、スポーツジャーナリスト・生島淳ちゃんの2回目だ。スポーツから古典芸能まで、中身の濃い話ができたよ。2回目も楽しみに見てくれ！
それから『My LIFE! My CHOICE!!』は、東京が9月3日(日)午前5時(TBSラジオ)、大阪が9月2日(土)11時15分(ラジオ大阪)放送だ。ぜひ聴いてくれ！
(構成・伊波達也)