マムシ流 つれづれ草 第50回

【2024年は、日本人らしさを良い方向へ発揮しよう!】

 老若男女諸君! あけましておめでとうございます。2023年はいろいろとありがとうございました。2024年も1年間、どうぞよろしくお願いいたします! 

 2024年はどんな年になるだろうな。干支は辰だ。ちなみにオレは3月で米寿になる。
 米寿だぜ。我がことながら、驚くね。まだ現役でできているのはありがたいよ。少しは世のため人のためになっているかね、ハハハ。
 2023年はスポーツ界や勝負の世界では、大谷翔平や藤井聡太をはじめとするさまざまな若手の逸材が活躍して、2024年も引き続き、いろんな分野での活躍が期待できるよな。勝負の世界の若者たちは清々しいよ!
 それに比べて、政治の世界はいただけなかった、というかメチャクチャだったよ。
 企業の世界では、コンプライアンスなんて言っているくせに、そのかけらもない事件が多発していたしな。
 芸能界もそうだよ。過去の膿を出すような、嫌な出来事が目白押しじゃねぇか。
 潔さと誠実さと正直さがまったく足りていなかった状況だ。
 2024年はぜひとも、この3つがきちんと守られるような出来事が増えて欲しいぜ。

 オレ自身は、2024年を迎えるにあたってのヒントを、2023年の年の瀬にはいっぱいいただいたなぁ。
 まず、日本善行会に表彰されちまった。善行会の主旨は、日本全国でさまざまな善行を無償でおこなっている人々を表彰するということなんだ。
 オレは、日頃からラジオの放送ほかを通じて、戦争の悲惨さについて、身を持っての体験談を人々に語り継いでいるということで表彰されたんだけどね。なんだか、照れくさいよ、オレはそんな柄じゃねぇんだけどな。
 正式な表彰式は、明治神宮でおこなわれたんだけど、オレは仕事で出席できなかったんで、わざわざ、別の日に、オレが中継で行った新宿区の大星湯という銭湯で表彰式を取りおこなってもらったんだよ。
 この銭湯の親父も善行会の一員で、いつもオレの放送にきてくれているサポーター諸君と協力し、推薦してくれて、こうなったというわけだ。
 これは奇しくもなんだけど、オレのおふくろ・石井ひさも、昭和32年にこの善行会から表彰されたことがあるんだ。オレの本『たぬきババアとゴリおやじ』でも触れているんだが、品川の中延に住んでいた頃、おふくろは、近所の新木さんという目の不自由なおばさんといつも一緒に銭湯に通っていたんだ。手を引いて面倒を見てな。
 そのおこないで表彰されることになったんだよ。しかも首相官邸でだぞ。でもその時、おふくろは「嫌だよ、表彰されるためにやったんじゃないよ。あたしが元気だからやっただけのことだよ。私が具合が悪かったら誰かのお世話になるんだからね」と言って、当初、表彰を拒否したんだ。まぁ、なんとか説得して連れて行ったけどな。そんなことを思い出して、オレもおふくろと同じ気持ちだなとつくづく思ったね。
 しかし、“善行会で銭湯”、偶然の一致だな。それで、おふくろに少しは親孝行できたかなという気持ちにもなったよ。
 銭湯といえば、コミュニケーションの場だ。ここに集って、老若男女がいろんな話をすれば、今の世の中、もう少し良くなるんじゃねぇかな。
 若者とのコミュニケーションといえば、オレが客員教授を務める聖徳大学では、去年最後の講義の時に、学生の皆さんに『来なくてよかったサンタクロース』を朗読した。この絵本が出てからは、講義の教室でも披露するようにしているんだ。近年、介護職を志望する学生がどんどん減っているけど、この絵本は、将来、幼児教育や保育士など、次世代の子どもたちを育てる職を志望する皆さんにとってもいい刺激になってくれると思うんだ。

 さらに、コミュニケーションと言えば、2023年最後の『ミュージックプレゼント』は、板橋区の古刹・南蔵院にお邪魔した。開基は寛永7年(1630年)という真言宗の由緒正しいお寺だ。4年前にも伺ったんだけど、この日はここの『ランチ倶楽部』のメンバーであるジジイババアが集まってくれた。高齢者の孤食を防ぐという目的でおこなわれているもので、みんなで一緒にご飯を食べることで楽しいコミュニケーションを実現しているんだ。
 23代目の住職、花木義明さんと24代目の娘婿・花木義賢さんが力を合わせて地域の支援活動を積極的におこなっている。そうだよ、本来、お寺というのはそういう場所だよね。
 23代目が、今の世の中について、つくづく言っていたのは、昨今、日本人らしさが良い方向に発揮されてないということだ。本来、日本人はうまくバランスを取りながら、外国からの技術や情報をうまく取り入れて改良して良いものを作るという資質を持っているというんだ。そして日本人は、いい意味での忖度をして、相手をおもんぱかることができるんだよ。それが今の世の中では、うまく発揮されていない。人間の強欲さや貪り、自分勝手さばかりが前面に出ているんだ。だから、本来の日本人の良さを発揮すればいいという。それはオレも強く同感だな。
 国際紛争だって、日本人の良さを活かして、うまく取り持つことができれば解決に向かうことができるんじゃねぇか。
 2024年は、日本人らしさを良い方向へ発揮することが大事だな。
 この日は、24代目が祈りの鐘をついてくれて、東京ボーイズの仲八郎ちゃんが、『謎かけ問答』を披露してくれた。
 西からは本堂にまばゆい夕陽が差し、心穏やかなる年の瀬だったぞ。
 というわけで、2024年もいろいろあるだろうが、皆さん、どうか、楽しい1年を過ごそうじゃないか。よろしく頼むぜ!

 新年最初の『マムちゃんねる』は、全身ピンクに覆われた紅しょうがのお化けみたいな、お祭り男、林家ペーちゃんの登場だ。師匠・三平さんとのエピソードはもちろん、長年暮らしてきた演芸界の話、映画、演劇ほか幅広い知識を披露してくれているぜ。楽しんでくれよ。ペーちゃん曰く、「マムちゃんねると紅白歌合戦に出るのが夢で、その一つが叶いました」と言ってたよ、ハハハ。


 

 

 

 

(構成・伊波達也)

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