マムシ流 つれづれ草 第82回
【聞き手の喜ぶ話題は、現場を盛り上げ、対話が密になると心得よ!】
ジジイババア諸君! 元気で楽しくすごしてるかい? 世間はゴールデンウィークに突入したけど、ジジイババアは関係ねえか、ハハハ。ゴールデンウィークの後半に差し掛かると、暦の上では夏。立夏だよ。早えな。年々、酷暑と不順な天候が心配だけどな。
気をつけるに越したことはないが、まぁ、そんなことばかり考えていても仕方ねぇよ。
自分たちなりの楽しみを見つけて、引き続き元気で日々を過ごしてくれ。
オレは、4月の後半もいつもと同じように有意義に過ごしてるぞ。
エフエム世田谷(83.4MHz)『介護をつなぐ!終活をつなぐ!ツナグワラジオ』(毎週土曜日朝6:30〜7:00)では、『マムちゃんの心の相談』コーナーを引き続き担当しているしな。
東北放送の『サタディ・イン・ザ・パーク』では、東北大学創立115周年・総合大学100周年記念の企画で作られた『吾輩は羊羹好きな猫である』という羊羹の話をしたよ。
甘党で有名だった夏目漱石は、戦時中、仙台に移住していたことがあって、その縁でこの羊羹が生まれたらしい。東北大学附属図書館には漱石文庫があるしな。
漱石話から転がって、オレがハイティーンの時に出演した映画、『潮騒』(三島由紀夫原作・谷口千吉監督)の伊勢湾・神島でのロケの話をした。1954年だよ。映画『ゴジラ』も同年だった。そして、『ゴジラ』のモチーフになったビキニ環礁の水爆実験も同じ年だ。
ロケ現場を訪れていた三島由紀夫さんと黛敏郎さんは、谷口監督に「ここは雨水が飲み水だから、そのお茶には放射能が入っているよ」なんて脅かされて、二人で恐る恐るお茶を飲んだなんてエピソードがあったんだよ、ハハハ。他にもこのオレはロケ先の宿屋の娘と淡い恋に落ちたという、あったかなかったかなんて話もしたぞ、ハハハ。
オレは話の転がし方がうまいからねぇ〜、なんて今さらながら思ったりしてな、ハハハ。
だけどね、それは大切なことなんだよ。しかも、聞き手に興味を持って聞いてもらうためには、ご当地の話や、聞き手に関係ある話をすることは大事なんだ。まぁ、それができるようになるには、オレのように豊富な知識と経験と教養を蓄積しないとだぞ、ハハハ。
4月最終週金曜日の『ミュージックプレゼント』は、『あなたとミュージックプレゼント』と題して、マイクの会社SHUREとコラボしたぞ。このマイクが細くて持ちやすいんだよ。
いつもより早い14時からの放送だった。出かけたのは奥浅草、観音裏の大衆酒場『さくま』だ。名店だよ。今も元気なおかみさん・佐久間愛子さんは86歳だ。小股のきれ上ったというか男装の霊人というか、かっこいいんだ。
実家の酒屋だった場所に、戦後まもなくバラックを立てて、亡くなった旦那さんとともに酒場を開いたんだ。当初は牛すじ煮込み専門店だったが、そのうちに大皿の惣菜を出し始めて大繁盛だよ。今は娘の康江さんとともに店を切り盛りしてる。オレはずいぶん前に近所に住んでいるフリーアナウンサーの深野弘子(ふかのひろこ)ちゃんと来たことがあるんだが、その時もとにかく繁盛していて、お客が次々に訪れるんで、20分くらいしかいられなかったんだよ。東八郎さんをはじめ浅草芸人の数々も訪れてる店だ。ビートたけちゃんもカウンターで飲んでたらしいし、玉も来たことあるらしいな。オレもこの店の奥の方あたりの竜泉寺が地元だからな。地元の話で盛り上がったよ。懐かしい固有名詞に母娘ともに喜んでた。こういうのがいいだろ。だからね、浅草話と愛ちゃんが聞きたい話を手土産に、また来るぞ!
さて、5月の「マムちゃんねる」は声優のレジェンド「野村道子」さんの登場だ!今から70年前、「劇団 山王」時代からの知り合いだ。昔ばなしで盛り上がるぞ。5月も引き続き、面白い話が満載だからな。ぜひ見てくれよ! あとはまだ告知はできないが、某テレビ局の YouTube番組に登場するからな。おれもすっかり筋金入りの YouTuberだ、ハハハ。
(構成・伊波達也)