マムシ流 つれづれ草 第84回
【昔懐かしい土地で、昔話に花を咲かせる時間の大切さを思え】
ジジイババア諸君! まだ梅雨の便りは来てないけど、鬱陶しい日々だな。
暑くなったり寒くなったり天候不順だから、体に気をつけてくれよ。
5月後半もいろいろあったよ。
昨年は欠席したんだが、毎年恒例の日本司会芸能協会が、東京演芸協会とともに、『大演芸祭in横浜にぎわい座』を行なったんだ。いつもの賑やかしで応援団長としてステージに上がったよ。コロナ以降いろいろとたいへんな演芸界だけどな、みんな元気で笑顔で登場してたぞ。楽屋には橘屋竹蔵ちゃんも邪魔しに現れて、出演者の面々とともに無駄話をしていったよ、ハハハ。
5月といえば、オレにとっては忘れ難い、5月24日の城南の大空襲だな。近年はいろんなところで繰り返し語っているけど、語って語りすぎのことはない。
そんなこの時期、『ミュージックプレゼント』で、その地を訪れたぞ。
品川区戸越の『丸嘉(まるか)酒店』にお邪魔したんだ。百反通りという商店街にある店だ。百反通りは、目黒不動尊への参道とも言える通りで、その昔は、1.5kmの通りに150軒もの店が並んでいたという。近年、有名になった戸越銀座よりも栄えていたという商店街だ。今じゃ見る影もねぇけどな、ハハハ。
酒店の創業は大正11年。翌年の関東大震災を罹災したという。その後、戦災に遭った。まさに、オレがいつも話す城南の大空襲に見舞われたんだよ。だから、今回、同じ5月にこの土地で戦争の頃の話をできたのは貴重だったよ。
現在、店を切り盛りしているのは3代目の勇さん(6月5日で85歳)と奥さんの由美子さん(81歳)だ。この日は、勇さんの妹・吉田日出子さんと、友人・新井さんも混じって、地元の懐かしい話にも花が咲いたぞ。桐ヶ谷斎場、星薬科大学、昭和医専、大崎駅、オレの住んでたきぬた荘、目黒川のおわい船・・・懐かしい固有名詞が次々出たよ、ハハハ。
そうそう、放送で話し忘れたんだが、今、こういう古い酒屋さんはたいへんなんだよ。近所のスーパーの方がビールも酒も安いし、現金払いのみでやってるから、スマホで決済したいような客はみんなコンビニに行っちまうらしいよ。時代は変わったよな。昭和は遠くなりにけりだ。
だからこそ、こういう古い倒れそうな店で、昔話をすることは大事なんだ。
昔育った町でする昔話のなかに、新しい発見をすることもあるよ。
ジジイババア諸君! くたばる前に大いに語り合ってくれ。
そして、大切なことは若者諸君に伝え続けてくれ!
さて、6月の『マムちゃんねる』は、カルーセル麻紀さんだぞ。元祖オネエタレントとして一世を風靡してきた人だ。カルーセルとオレ、そして談志は因縁浅からぬ仲だよ。
70歳を過ぎてから歩けなくなったりして満身創痍らしいが、声は元気だし、酒ものんでるらしいよ、ハハハ。釧路の実家を家出して、流れ流れて芸能界デビューするまでの話や、古き良き昭和の芸能界についていろいろ語ってくれてるから、ぜひ楽しんで見てくれよ。
それから、以前お知らせした、TBSのYouTube『TBS芸能&情報まとめ』のオレのインタビューがアップされたぞ。前編後編に分かれてんだ。いい話をしてるからな。ぜひ見てくれよ!
【動画はこちらから! 前編・後編】
(構成・伊波達也)