マムシ流 つれづれ草 第91回

【世代を超えて、老若男女が対話をする機会を持て!】

 ジジイババア諸君、9月も半分が過ぎたな。気温は一向に下がらないが、風を感じて、雲を眺めていると確実に秋が寄り添ってきている気がするな。
そして、今年の「敬老の日」は、まさに9月15日だ。ハッピー・マンデー制度とやらで、日にちがあっちいったりこっちいったりだけど、やっぱり敬老の日は9月15日だよ。

昭和41年までは「老人の日」だったのが「敬老の日」に改められた。
「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」と定義づけられている記念日だな。
ジジイババア諸君! ちゃんと敬愛される年寄りになっているか?
若者諸君! 歳を重ねてきたお年寄りに対して敬意を払っているか?
記念日というのは意味があるもんだ。自治体が催すイベントもさまざまあると思うが、
一人ひとりが、この日の意味を噛み締めて、老若男女が対話をする機会を作って欲しいよ。
自分たちのおじいちゃんおばあちゃん、身近にいるおじいちゃんおばあちゃん、誰でもいいけど、年寄りと孫世代が話せるといいな。
もし、そういう機会が作れなくても、電話をしてあげるとか、手紙を書いてあげるとか、コミュニケーションを取りたいねぇ。
 だけどね、本来はこの日1日だけが「敬老の日」というのではなく、毎日が「敬老の日」であるべきなんだよ。だから、そういう意味では、いずれ敬老の日がなくなる時代が来ることを願うよ。日々、年寄りを気にかけてもらいたい。
 若者は、年寄りにやってもらいたいことをお願いするといいぞ。年寄りは「有用感」が大切だからな。些細なことでも、頼りにされているというのは元気の源になる。
ジジイババア諸君に、改めて言いたいのは、オレがいつも言う「3つのベルを鳴らせ」だ。「食べる、しゃべる、調べる」だな。元気で長生きするためには、この3つが不可欠だぞ。年寄りになったって、1日1つでも、新しい知識を増やしていくことは大切だ。脳の刺激になるし、知識欲を満たすと、それも元気につながるよ。
「人生100年時代」はもうあたりまえだよな。毎年「敬老の日」に発表される「100歳人口」だが、今年は9万9763人と、ほぼ10万人になったな。ジジイが1万1118人、ババアが8万8645人と、約89%がババアだってよ。ババアは長生きだよ、ハハハ。ただ、単に長生きじゃつまらない。自分のことはできるだけ自分でできる、自分がやりたいことができる100歳をオレも目指したいぜ。

 先日、80歳を超えたある超大物俳優が、「マムちゃんねる」の収録で、わざわざ、オレの事務所まで来てくれた。三太郎の自宅ビルの2階にあるんだが、これが階段が急で、登るのがたいへんなんだよ。アイガー北壁か、まむしプロダクションの階段か、ってなもんよ、ハハハ。
 でも、その方は元気に登ってきたぜ。昔の古い映画時代の話や共通の友人やその当時の人々の話をいっぱいできて楽しかったよ。その時、彼が言っていたのは、「僕は、自分がこの役をやりたいというのではなく、先方からあなたにこの役をやってほしいと言われて、ずっとやってきた」と言うんだ。
 まさに、オレもそんな感じでやってきたと思う。だから、思いもよらぬ役回りをさせられたり、いろんなことにチャレンジさせられたが、それが全部、自分の血肉になってきたということだな。
 さて、この俳優さんは誰でしょう? その答えは、次回、つまびらかにするよ。
 だからさ、ジジイババア諸君、「敬老の日」を機に、「人から求められる役回り」を演じられる年寄りを目指すっていうのは、どうだろうか。そして、生きがいを持って、元気に楽しく人生を謳歌しようじゃないか。

 さて、9月の『マムちゃんねる』は、林家三平ちゃんの2回目だ。前回に引き続き、先代・林家三平さんの知られざるいろんなエピソード。興味深いいろんな話が繰り出されるぞ。ぜひ見てくれよ。そして、今回で20回を数える『マムちゃん寄席』は、おかげさまで、チケット完売だ。じゃあ、10月29日、待ってるぞ!


(構成・伊波達也)

〜一覧へ戻る〜