マムシ流 つれづれ草 第95回

【人生の最後は笑顔。それを心がけて日々を送るべし!】

 ジジイババア諸君、寒くなったな。体調崩さないように気をつけてくれよ。二十四節気では立冬だからな。七十二侯で言うと、「地始凍(地始めて凍る)」という大地が凍り始める時期だ。ちゃんと季節は進んでいるよ。いつの間にか冬の気配だ。秋が短いというのが何ともさみしいけどな。

 11月前半は、ジジイババアから若者まで、いろんな話をしながら対話ができた。ジジイババアとは、『フレイル予防!フェスよこはま』というイベントで、対話してきたよ。
フレイルって何だかわかるか? 新しい胃薬のことじゃねぇぞ、ハハハ。
 フレイルというのは、「健康」と「要介護状態」の間の状態のことを言うんだよ。直訳すると「虚弱」ということになるんだが、要するに、年寄りにとって、健康寿命を保つか、要介護から寝たきりの方へ進んでしまうかの分かれ道なんだよ。このフレイルを予防することが、元気で長生きするためのカギになるわけだ。まぁ、いつものようにいろんな話をしたけど、やはりフレイルを予防するには、いつもオレが言う「3つのベルを鳴らす」ことが大切だということを強調したよ。「食ベル、しゃベル、調ベル」だな。ダンベルとトラベルを加えて「5つのベルを鳴らせ」というのもありだ。とにかく日々、楽しく、前向きに、自分ができることを人の世話にならずにやっていくという気持ちで過ごしていくことが大切だ。
 そして余裕があれば人のことをかまってやることだ。オレが今までこうして元気で過ごしているのは、考えてみたら「フレイル予防」を自然とやってきたんじゃねぇかな。だから「フレイル予防」のサンプルとしてこれからも元気でいつづけて、ジジイババアのケツを叩いていきたいよ。

 若者といえば、女性限定だが、オレが客員教授を務める聖徳大学での授業の2回目だな。
前回も触れたが、オレとほぼ70歳違いの女子大生に授業をしているんだ。
 2回目の授業の前半は、1回目の授業の後に彼女たちが書いてくれたレポートについての感想を述べる時間だ。80人くらいのレポートを読むのは一苦労だが、これが面白い。
 面と向かっての授業だけど、直接の対話はできないから、このレポートが彼女たちとの対話なんだ。みんな一所懸命書いてくれていて、好感が持てるんだよ。メールと違って手書きだから、それぞれの筆致を見ることもできて、実に味わい深い。
 それでびっくりするんだが、オレの言わんとすることがきちんと伝わっていて共感も得られてるんだよ。もちろん否定的な意見も中にはあるけど、話をちゃんと聞いてくれている。レポート用紙の裏にはみんなびっしりメモしてあってな。
 89歳のジジイの話は、ある意味新鮮みたいだな。おじいちゃんおばあちゃんと暮らしている子もなかにはいるだろうけど、年寄りの話をちゃんと聞く機会があまりないようだな。年寄りがどんなことを考えているのか、その年寄りとどうコミュニケーションを取ればいいのか、いろいろと”目からウロコ”だったみたいだ。何といっても戦争の話が一番インパクトは大きいようだな。「人生の最後は笑顔で」という話もとても響いたみたいだよ。
 授業に対してこういうリアクションがあると、オレも話し甲斐があるよ。なかには、「先生のスーツ姿、かっこいい!」なんて書いてくれてる子もいたりしてな、ハハハ。
 要は、きちんとコミュニケーションを取れば、歳の差なんて関係ねぇんだな。
 だから、引き続き授業では、できるだけオレの経験をオレの言葉で素直に語っていきたいと思ってるよ。

 そして、つい先日、ショックなことがあったな。稀代の名優、仲代達矢さんがご逝去された。享年92歳だ。昭和7年12月の生まれだから、来月で満93歳だったんだよ。その歳でもかくしゃくとされていて、最後まで舞台人生を邁進していた。オレの目標でもあったよ。数年前、『ねりま映画サロン』でも対談させてもらったしな。まさに先日の聖徳大学の授業で、空襲に遭った話の時に、仲代さんがオレと同じ城南の大空襲を体験したという話をしたばかりだった。また一人、昭和の星があっちへ輝きにいっちまったな。でも、仲代さんも人生の最後はきっと笑顔だったんじゃねぇかな。
 あっちの新しい舞台でまた輝いてくださいよ。合掌。

 さて、11月の『マムちゃんねる』は後半も、お笑い芸人で俳優の山田雅人ちゃんだ。前回に続き、彼が語り芸を培った話など、いろいろ面白い話をしてくれているからな。ぜひ見てくれ。そうそう、雅人ちゃんは、12月23日(火)の『年忘れ! マムちゃんねるスペシャル!!』(横浜にぎわい座・芸能ホール)にも登場するぞ。こっちもぜひ楽しみにしていてくれよ! 


 


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(構成・伊波達也)

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