マムシ流 つれづれ草 第108回
【生のコミュニケーションを大切に、人間本来の心を取り戻せ】
老若男女諸君! 6月だな。二十四節気では小満の末候。七十二侯でいう麦秋至(麦秋至る)だ。季節は初夏だけど、麦が成熟して、麦にとっては実りの秋なんだ。小津安二郎監督の映画に『麦秋』というのがあったな。結婚して地方へ巣立っていく輝くばかりの娘と人生の節目を迎え新たに成熟していく家族を、この季節に重ね合わせたテーマと言われているよな。そんな季節の折、みんな元気でやってっか? 相変わらず気候は不順だが、体には気をつけて楽しく過ごそうぜ。
5月後半もなんだか世の中は、国内外ともに変な嫌な感じだな。人間の本来の心が不在な感じがして、なんだか居心地が悪いよ。明るい話題と言えば、相変わらず、大谷翔平をはじめとするメジャーリーグで活躍する諸君の奮闘ぶりくらいだろ。我が巨人軍の監督・阿部慎之助はあんな形で辞任しちまったしな。あの一件も、本当の真相はよくわからないから、あまり語れねぇけど、改めて、親子の対話、生身のコミュニケーションの大切さというのを痛感したよ。生成AIとやらに子どもたちが支配されちまっているという印象は否めないからな。ここのところ、このブログでも折に触れて、AIのことや生身のコミュニケーションのことを記してきたが、血の通ったコミュニケーションということをきちんと見直していかないと、この世の中はさらに変なことになっちまうぜ。オレがいつも言ってるように、新しい文明の利器としてのAIは否定しないよ。要は使いようだからな。でもなんだかその文明の利器にどんどん支配されて、人間が置き去りにされているようなニュースを目にし、耳にすると放っておいちゃダメだって気がするだろ。
テクノロジーの発達によって、人間本来の能力が退化するんじゃ本末転倒だよ。生のコミュニケーションを取らないというのも人としての退化を進める要因になると思うが、どうだろう?
だから、オレのラジオ『ミュージックプレゼント』の現場へ行くとホッとするよ。
5月の終わりは、9年前の10月にも訪れた、五反田の『岡崎写真館』へ行ってきた。
ここの先代・伊與田正志さんは昭和8年生まれの92歳だ。このジジイ、元気なんだよ。オレがいる間、ずっと喋りっぱなしだ。スタジオの外山惠理も「滑舌がいい」って驚いてたけど、西五反田の花街の話、東五反田の飲み屋街・有楽街の話から、地元の映画館で見た洋画、邦画の数々の話、正田美智子さま(現上皇后陛下)がご成婚の時、地元の雉子神社から提灯行列をした話まで一気にまくしたててたぜ、ハハハ。
先代が昭和4年に開業し、今年で創業97年を迎えるという写真館は、今は息子の彰さんがしっかり受け継いで、いい仕事をしているんだよ。正志さんのおかみさん・明子さんは昭和10年生まれで、学年はオレと一緒の90歳だよ。このババアも元気なんだよ。夫婦揃って図々しいねぇ、ハハハ。この日は9年前にも来てくれた、ちょっと上品な近所のババアも来てくれた。ありがとね。
ここの店内には、“家族の絆を撮る写真館”という雰囲気が充満してるよ。今までに、近所の人たちを中心に3万組以上を撮影してきたんだってよ。昔ながらの「ガラス乾板撮影」というのもやっていて、その写真には深みと温かみがある。デジタルにはない生の味わい深さだよな。写真は撮る者と撮られる者のまさにコミュニケーションと言えるが、飾られている写真の数々にもそれがよく表れてるぜ。これからも時代を活写して、古き良き写真の力を見せてくれ、頼むぜ。
さて、6月の『マムちゃんねる』は、『カブキロックス』というバンドで『イカ天』から出てきて一世を風靡した氏神一番だ。オレはほとんど付き合いがなかったんだけど、なぜかオレのことを慕ってくれていて、今回出演とあいなった。プロレスラーのグレート・サスケはなんとこの氏神の真似をしたということらしいぜ。話を聞くと、まぁ、いろんなことをやってるやつだ。そんなあれこれを話してるから、ぜひ楽しんでくれ!
それから『週刊アサヒ芸能』の5月26日特大号の特集『生涯現役の秘訣』にオレのインタビュー記事が載ってるから読んでくれ。まぁ、あとまだまだいろいろあるから、その詳細はまた今度だ。じゃあ、またな!


(構成・伊波達也)